zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

all stop

アメリカで運転経験なさった人はよくご存じと思いますが、交差点でオールストップというものがあります。

 

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これが四方からの道に全部立っていればオールストップですね。ストップ標識はアメリカでは本当に止まらなければなりません。おかげで信号が少なくてすみます。道路を横断したい人がストップ標識の交差点にいれば、必ず車はとまりますから(人がいなくても止まる)、そのとき横断するのです。人が横断できるので、あえて信号つける必要がない。車の方も信号ほど長く停まる必要がないので交通がスムースです。

 

という話とは今日言いたいことは違って、運転が危なかったという体験談です。

オールストップに遭遇したら交差点に入った車の順番にしたがって通行していきます。自分よりも先に停まっている車がいれば、左折(日本の右折のような状況)だろうがその車が優先です。横に先に車がいれば、それが先に目の前をすーっと通っていくことになります。で、それが終わったら、自分が行って、自分より後から来た左とかにいる車は自分が通り終わってから通る。

 

運転している立場からいうと、前方の交差点がこちらが優先か、前方道路が優先かオールストップか一瞬で判断しないといけません。この標識だけは六角形をしていますので、裏から見ても分かります。だから、こちらにストップが立っているとき、横断する道路にうらからみて六角形が立っていればオールストップだし、立っていなければ前方の道路が優先です。

 

オールストップなら交差点に近づいてくる車が左に確認できても、先に自分が交差点にいて一旦停止し終わっていたら発車します(日本ならぶつかる状況です)。まぁ相手がちゃんと停まりそうである雰囲気かは確認しますけど。

 

でも、こういう自分が一旦停止で停まっていて、左から車が近づいてきたとき、前方優先なのにオールストップと間違えて発進しちゃったらぶつかりますよね。

 

さて、オールストップなのですが、昨日左に先に停まっている車に気づきませんでした。出ようとしたとき、気配ではっと左を見ると車がいてこっち見ている。出ちゃったから、ああああという感じで手をあげてすまんすまんみたいな感じで通行しちゃいました。見えなかった?なぜだ?

 

あまりこういうことはCAで起こったことなかったので自分でびっくりしました。いや、単に老いぼれただけ。いやいやいや、そう簡単には。

 

で、考えてみた。動いている車は気づきやすいから走ってくると自分でアラート的に気づく。で、広いカリフォルニアの住宅街の道でぽーんと車がとまっていれば目につく。交差点で他の車を見落とすはずがない。

 

こちらのアレンタウン中央は狭い。道路が狭いのに両側駐車車両がぎっしりです。で、とまりまくっている駐車車両はある意味無視するのに慣れてくる。そのうちの一台のようにしか視界に入らず、視界は無視しちゃったのでしょうね。

 

動く物体ととまっている物体を認識する脳システムは異なっていますから、動かないとそのものが見えない障害の人がいますよね。別の脳の働きを使っている。基本日本ではとまっている車両はほとんど危険がないので放っておいて、動いている車両を危険なものとして認識する。こういう視覚-脳のつながりができちゃっている気がする。

 

停まっていても危ない車:それがここアメリカでオールストップでのんびり停まっている横の車(左側とか)です。(左側から来る右車線の方が自分に近いからすぐ衝突する。だから交差点では左、右、左と見ろと教本にも書いてある。日本では右を先に見るのでついぼーっとしていると右を先に見てやや出るモードで思っていて左みて車がぴゅっと来て驚くみたいなことはアメリカ着いたばかりだとたまにある)

カリフォルニアでこういうことがあまり起こらないのは、すでに停まっている車があってもたいていその後ろの車が動いていて(交差点に近づいて来て)視界が危険認識するからかもしれない。いろいろ思い起こしてそう。あるいは視野の広いだだっぴろい道にぽつんといると目立つのと。

アレンタウンあたりの住宅街は車が少ないが道が狭いので、後ろから車が来ない。そもそもあまり車が来ないから、たまに来るとお~来るなぁみたいな。駐車車両に静かにまぎれて視野のなかにいると今ひとつ目立たないのだろうと自分でとりあえず結論づけた。(いや、とにかくもっと注意しろよって)

 

ていうようにどこか頭で考えておくことがこちらの方が多いと思う。たとえば自分は進行するのに安全状態であると思っていて、オールストップで先に停まっている車が右にいる。そちらが先だ。なぜいかない!? それは左側で前方から今こっちに向けて横断している人がいるから。直進する自分にはこれは関係ない情報で危険ではない。危険判断がない。だけど、右の車にとってはもちろんここで発進しちゃうと人を轢くわけだ。他者の視点もとっておかないと、一瞬右の車がどういう理由でストップし続けているのか見えなくなってしまう。三ッ山問題みたい。

 

ということでアメリカでの運転は認知症予防というか、ほんのり頭を使い続けるのにとてもよいのかもしれない。そしてそういう状態でいられているのか、医師の診断もあるのだ(笑。