zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

緑色なんだよ!

アメリカも緑色なんだよ。

 

何言ってんのかと思わるかもしれませんが、物心ついてのちは、カリフォルニア方面からアメリカという国にアプローチしたわたしは、自然の「緑」と言えば、ヨセミテ国立公園くらいに思っていました。ちょっと極端ですが。

 

連日33度くらいの3日間が過ぎ、今日また13度、外は雨が降っています。今日は野菜を買いに行こうと思っていたのですが、雨風に弱いので明日にしようかと思案中です。こうしてここペンシルベニアは(他の東海岸も普段からいつもそうなのか知りませんが)、わたしが3月末に到着して以来の感覚では非常に雨が多いです。シアトルほどではないかもしれませんが・・。

 

おかげで、木々は生き生きしており、この近所の地区の印象は「木々が大きい!」ということです。それだけ大きくよく育ったということで自然豊かなのでしょう。

 

最初大学近くのホテルに滞在していたとき、週末に高校生団体が来たことがあり、ハイキングするようでした。

 

そう、ここのレクリエーションというのは、山歩きなのです。南にも北にも山が見える。広いアメリカで敢えて傾斜地に建物を建てる必応ないんじゃないの?と思うのですが、高い方がやはり見晴らしがとてもよいのか、特にボストンから車での帰り道、山付近を走っていると、段々畑のように家並みが傾斜地のなかに建っていて驚きました。

ま、リーハイ大学自体も傾斜地に建っているのですけど。

 

いや、そんなことで驚かなくてもいいんでしょうけど、(たかが一年ですが)カリフォルニアと砂漠になじんだ目には、ここはイタリアか!いやドイツか!?とヨーロッパの風景をほうふつとさせます。考えればマサチューセッツにしろ、気候がわりにヨーロッパに近く、自然も近いからイギリスなどから人々が移り住み、定着したのかと、そう考えれば全く自然なことです(残念ながらイギリスというところへ一度も行ったことがないので、イギリスのよくいわれる田園地帯の風景とか写真でしか見たことない)。

 

あと、緯度の関係でしょうか、空気があまり湿気を含まず、常に乾燥していますよね。風呂掃除して誤って床をちょっとびしゃびしゃにしたときもすぐ乾きました。お肌には注意なんでしょうね。

 

日本は温暖だし、海流は大体近所を北も南も暖流が流れいるし、空気が慢性的に湿気を大量に含んでいて蒸し暑いんでしょうね。山際はぼーっと煙り、かすんでいて、これが情趣に富むとみられてきたわけです。ヨーロッパとか山の稜線がすごいくっき~りとか見えますよね。空気の澄み方が違うのか。

 

さて、休暇には砂漠を走り回っていた20年前、カリフォルニアの地元紙にはこんな記事が出ておりました。新住民のインタビューです。

 

『わたしは、ポートランドから移ってきたのだけど、オレゴンには春夏秋冬の四季があったわ。でも、ここは、summer, fire, slide , flood なのね。』少しカリフォルニアに住んでいた人は爆笑です。そう、カリフォルニアの季節?というか、年間の自然状態のバリエーションといえば、火事と地すべりと洪水とあとは夏、夏、夏・・・。そんなカリフォルニア愛が強すぎて、当地への適応に(つい不満が生じて)害をなしておりますが、よほど特別で珍しいわけですよね、アメリカという国全体のあり方からしたら。そっちが例外!

 

5月ともなればカリフォルニア州南部はすっかり夏、山は小さい木が多いが、低木な草とか植物はことごとく立ち枯れ。山は茶色くなります。緑ではありません。究極のからっからっになってきた案配のところに火が出て、山が大火事です。年中行事です。ものすごくひどいとき、被害が広大なときもあります。

 

で、普段雨が降りませんから、排水設備というか道路が自然に雨を流していく仕組みがありませんので(降っても15分で乾く)、たまに嵐が来て大雨が降ろうなどということがあれば、たちまち町は一瞬水浸し洪水状態になり、川は簡単にあふれます(大体、アメリカの考え方、やり方では治水は溢れさせるので、堤防は低く、流域を広くとっている)。そもそも川筋が細いことが多いので。

 

で一号線を走ると山が焦げたにおいがするわけですが、枯れたまる坊主の山です。それが1月くらいになると少し雨が降り、草が萌え、花が咲き、いのちが再生するわけです。目の前で壮大な死と再生を毎年繰り返しているのですね。なんか人生観に影響しそうな気がします。

 

ということで、例外的な砂漠地帯、岩と赤茶けた砂の荒れ野の西部地帯をのぞけば、ここ北東部分では普通に寒さと緑に囲まれた、日本の東北地方のような厳しさとのんびりが同居した風景および人心が形成されてくるのかなぁと思った次第です。

 

ま、風が吹かなきゃ、雨だけだとまぁ耐えられていいんですけどね。風は魂が飛ばされそうで・・・。

 

温暖な瀬戸内海気候で育ったもののぜいたくでした。