zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

ゼミ2回目

NYUでゼミが始まった。自分のではもちろんない。ジョン・ジョストのだ。

 

受講者が10人ちょい。12人くらいいるか。結構数いるよね。自分の指導の院生だけでなく、いろいろいる。PDも3人いる。

 

で、書いたように次週発表にあたっているわけだが、2回目(発表のある1回目)の今日、どんな風にやるのかがわかるから重要だ。本日の当番2人は2人組となって共同でパワポをつくってきた。かわるがわる話をしている。質問点をいくつか用意して、質問をなげかけ議論。最初の1つめの質問、価値と客観性とは、みたいな話題ですでに延々と議論だ。M1にはいい内容だよね。まずこういうことを心理の研究で押さえておくのは社会心理学ではとりわけよいこと。

 

社会現象では唯一の正解とか、価値フリーなものはないし、客観性も追求しきれるものではない。それを十分わかった上に、「研究」はいかに科学的に行うかが大事だ。社会現象自体は主観的なものなので、立場と定義を定めて、何を検証するか研究上の目的を明確にし、それに対して極力科学的にアプローチする。そういったことだ。現象が主観的だからといって主観性を中心とした研究しかできないってわけではない。発表者は主観的なら質的研究しかできないのではないかと疑問を投げかけていたり、客観的であることを目指してやればいいとM1らしいややナイーブな問いや質問を投げかけていたが、議論により深まっただろうか。

 

20年前のこうしたゼミ、デイビット・ハミルトンのゼミを思い出す。時間のほとんどはやはり議論だった。全員が文献を読み込み、すでに質問を出してきて、当日は集まってそれをネタに議論するのだ。う~ん、記憶もだいぶあいまいだが、言っていることの5割くらいしかわからず、ときどき議論がどこ行っているのか追い付かない場面もあったように思う。その日の調子によってもよく聞き取れたり全然ダメだったりした。

 

それを思えば、今回80%は聞けているから(途中まで90%だなと思っていたが、ひとりわかりにくい発音をする男性がいて、その人の議論のところだけ途中わからなくなったことがあった)、あとは自分がどう食い込むかだ。本日はがんばって5回しゃべって参加したが、最初タイミングをつかめず、思っていたことに近いことを先に言われたり、先にタイミングをとられたりしていたが、途中からがんばって発言をとるようにして、大体言えるようになった。周りより発話スピードが落ちて、一瞬リズムが壊れるから悪いけど、そんなこと言っていたらここでは生きていけないから、せいぜい場数やるなかでこちらの呼吸にも慣れてもらうしかない。

 

今回は価値観、客観性、ドイツイデオロギーマルクスと宗教などかなり得意ネタだったから楽ではあった。

 

さて、来週3人あたっているので、時間があればこそこそとえ~、わたしもつけ加えでこれだけ~とかやってごまかそうと思っていたが(妻子来米中だし)、今日メールで、次はこの3人だからできたら協力して進めてねとメール来ちゃった。名前見てもどこに座っていたどの人が全然わからないw。 あ~めんどう。勝手なパワポならもう半分つくってあるのだが、3人ですり合わせてって・・・そういう作業は苦手だなぁ・・・。どうなるやら。 一人目がメールをよこす様子を待とう。

 

もっと勝手なことを発表するかと思ったら、わりあい今日のはM1だったからかもだが、必須文献に書いてあることの要点を引き出して、質問してきたみたいのだった。ある意味かなり文献に即している。そんなつもりはないから、メールきたら、君ら2人は文献に即しなさい、わたしはそれに付け加えることをスライドの後ろ部分に付け加えよう・・・・これでいくかな!