zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

卑怯者

せっかくのブログだから、あえてもう少し過激なこともついでにちょっとだけ書いておく。

 

こちらアメリカに来て、たった半年くらいだが、驚いたことはひとつある。20年前、ステレオタイプの話を院生としていたとき、日本人のステレオタイプは教科書にある通り、「数学ができる」「シャイ」というのに相補的ステレオタイプの要素を加味してもこんなものだった。

 

でも、今から思えばこれ、まだフィスクさんのSCMは登場前だったけど、能力地位高、社会性低で、ユダヤ人ステレオタイプ、キャリア女性と同じ象限ですよね。

 

20年前は遠慮して、思いやりで悪い事言わなかったからかも。いや、今も一度も面と向かって変なこと言われないけれど、研究デザインや世評、テレビ等々で分かったのが、

 

アジア人はずるい

 

というステレオタイプですね。もっとも中東は全く別だし、南アジア(インドなど)はまた別だし、やはり微妙に東南アジアと東アジアは違うから、これは典型的には、日中韓の東アジア人に向けられたものと言えます。 昔の日本人の「勤勉」とかのイメージは、タイやベトナムなどの東南アジア人に引き継がれてイメージされているのではないでしょうか。もう日本人は勤勉とは思われていない。正しい勤勉とは有効に働くことであって、日本の労働生産性の低さは白日の下だし、働き環境は悪い見本だし、長時間労働は有名で「生産性があがらないのに馬鹿みたいに長時間労働で疲れて人生の楽しみ方を知らないむやみに動く(働くではなく「動き回る」)馬鹿者」くらいに思われている。

 

しかしアメリカではそれは通用しないから、アメリカに残って働き続けている、あるいは3世、4世とかの日系は働き者だし、スマート(賢い)だ。だから黒人は嫉妬する、妬む。

 

大陸に連れてこられたにしても居ついて、ずっとアメリカ社会に貢献している歴史は当然に黒人(国、地域はさまざまでもちろん1世、2世、3世とかもいるので本当はこういう十把ひとからげではない)の方が長い。アジア系はそういう意味では「新参者」だ。

 

IATやってもまだ黒人の方がアジア人よりも「アメリカ性」は高い。そして語学はヒスパニックとは断然異なり、黒人は当然ながらほとんどの人(一世以外)が流暢なネイティブのイングリッシュをしゃべる。ー世で来ているのは、中韓ベトナムと同じで優秀層しか来ないから大体来る段階で英語はうまい。そして西欧風である。(一世の多くも西欧で教育を受けている)

 

日中韓の一、二世は英語しゃべるが、かなりなまっているし、ものの要求の仕方、コミュニケーションがアジアである。だから疎んじられるところもある。文化が西洋でないから。

 

だから黒人は妬む。自分たちの方が長くいるちゃんとしたアメリカ人であり、ことばもふつうにしゃべれるのに、そうでない日本人とかが専門職についたり(医師、技術者)、よい給与を得ているように見えるからだ(アジアからの特に1世は優秀層しか来ないというフィルターが大きい、それ以降は遺伝的伝達+選択された環境ということになる)。だから黒人のようなスラムがない。(華僑の一部はヤバいが)

 

だから社会的に優遇されているように見える、そしてうまくやっちゃっているように見える東アジア人が妬ましい、不快なところがあるわけだ。 それで同じ非白人という条件で、優遇層vs被差別層 ということで社会心理学実験の「対照群」「比較群」にされちゃうわけだ。こっちだって差別受けてるんだけどねぇ、まあ。

 

さて、というのも1980年代末の日本の振る舞い、今だにトランプは根を持っているらしいw、日本のアメリカ進出における「ジャパンアズナンバーワン」みたいなノリのとき、貿易摩擦が激しく、日本市場は閉じているのがずるいとか、公正な競争ではないとか言われた。ステレオタイプが働きやすい影響があるのだろう。さかのぼれば高度経済成長時代から「エコノミックアニマル」と呼ばれていた。

 

当時子ども心に聞き流していたが、これは少し深く考えれば重大なことで、なぜならそもそも「黄色人種」は「サルに近い」と思われているからだ。だから「黄色いサル、イエローモンキー」なんだ。これは深層的には冗談でもなんでもない。背が低いし、やや腰をかがめて猫背だし、姿勢がサルに近い。動きもチョロチョロちょこまかしている。サッカーの香川だ。日本人選手はすばしっこい(これは十分ステレオタイプだ)。悪くとれば、(本来のサッカー的なマリーシャスさは足りていないのに)日本の連中は集団で動くネズミみたいでもあり、こそこそ、ざざーッと(時には怒涛のように、今なら中国人観光客を想像すればよい)動かれると不気味だし、怖い。

 

さて、神戸製鋼の不祥事である。次から次だ。自分の会社が儲かるためならずるをする。これが日本企業の基本姿勢と言っていい。あがっている数社だけの話ではない。構造的問題だ。昔から法は抜け目があり、それを察知してうまいことやるのが賢い大人みたいのが東アジアの大人イメージだ。これは中国とも共通している。遵法精神が薄い。

 

心理学実験:アメリカ:十戒を想起して書かせたあとはずるが0になる。西欧だって十分普段ずるかったりするとこもあるし、犯罪も多いがいざというときの信頼の源はこれだ。

 

アジア人(ただ、韓国はクリスチャンが多い)はこれが共有できていない。別文化の人々(そういう点ではイスラームと同じ)。

 

いざというとき、どっかで人として信頼できる何かだ。

 

さぁ、信頼ですよ。社会心理学のキーワードで重大性が分かりますよね。これからの時代はますます信頼をベースにして国際社会は動いていきますよね。西欧的価値観が主導で「グローバル社会」は展開していくわけですから。信頼は基本価値です。これは社会的資本のもとにもなります。だから簡単に金では買えない重大な資産ですね。

 

その、その大事に大きな大きな資産を減損して、食いつぶしている深刻な重大性に日本企業は気づいているでしょうか? これは経済価値の話ですよ。 もう人としてとか、建前の話ではない。 信頼を減損すると商売するうえで大損こくんですよ。

 

このグローバル社会に備えることは、大学で英語を教えるような矮小な話ではなく、西欧的価値を理解して、企業人がそのルールを適切に理解して土俵にのって参加していくことでしょう。

 

西欧社会の信頼価値の重大性を見過ごしているとしか思えません。

 

せっかくかつてのソニー、ホンダ製品の「故障の少なさ」「性能のよさ」で、人はともかく「日本の商品は信頼できる」というステイタスをアメリカ社会で勝ち得たこの40年ほどの努力が水泡と帰そうとしている。ヤバいと思いませんか。

 

はい、社会心理学の謝罪研究を参照しましょうね。

 

有効な対処法、誤りを二度と繰り返さない対策構築・・・しているでしょうか。ここが日本企業の踏ん張りどころ、世界の評判において信頼を減損しない方法です。早急に取り組む必要があるのに、不祥事を繰り返す三菱自動車みたいにやばいです。結局会長にゴーン氏みたいな人を持ってこないことには「変わる感じ」が出せないわけですよね。

 

エコノミックアニマルには何回でも言いたい。「ちゃんとした商売しないとあなたが損なんですよ!」

 

そしてこういう仕方でしか耳を貸さない人がいたら、それが「アニマル」つまり人間として徳性、理性をもたない「人であって人でないもの」それが「イエローモンキー」です。

ただでさえ、地位を高めると、SCMに基づけば、性格が疑われやすくなるというリスクの法則があるわけですから、防ぐために気をつけないといけないわけです。 

 

なのに自ら自分のステレオタイプ性を高めて、海外社会から軽蔑を招くのは全く損な行いで、被害は海外で暮らす同朋全員に行き渡ります。

 

政治や国家の信条には「建前」「理想」がいります。アメリカ社会では当然のことです。だけど日本では理想を軽蔑します。今こそ、グローバルにもしも認めてほしいのなら?、政治家は「理想を語り」、国家の理想を語り、日本人、日本企業の振る舞いの理想を語り、「その建前と旗印があるからこそ」日本製品は信頼できるし、日本人、日本企業との取引は信頼できると思わせる。これが本当の国益であって、本来の自民党が担うべき役割ではないでしょうか。(日本を取り戻すではなくて遵法精神を持つ「新たな日本をつくりあげる」でしょう。昔ながらの職人気質をあらゆる場面で復活させるのは無理ってもんです)

 

ところが自民党政治家(だけではないが)は今も不祥事を繰り返し「政治家という者は信頼できない生き物」というステレオタイプを悪化させ、悪い見本に成り下がっています。日本の政治家たちが全くもって信用ならないのに、どうして日本製品や日本企業を信頼担保できるか、ここまでの僥倖を無にしないように、減損被害が拡大せず、間に合うように、真剣に各位(誰??、同級生か(笑)、いや神鋼はやめているし、おお東芝の取締役か?)がんばってほしいと思います。