zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

慰安婦像

マンハッタンでも10月に慰安婦像が設置されましたが、この度、サンフランシスコ市で公的性格が形作られるにあたって大阪市姉妹都市解消という動きに出ました。

 

日本のなかでは、慰安婦と言う呼び方をはじめ強制の点、公的な軍の関与についてたくさん議論がなされていますが、おそらくよそ(諸外国)から見ればどうでもいいことでしょう。そんな所に論点はない。

 

戦時中に軍人男性への性的慰めについてそのための施設があり、そこで働かされていた人がいた

 

この事実だけで、現代の観点から見ても、女性の人権が踏みにじられていたのだなぁ・・・と、その点で十分なのかと。

もちろん朝鮮半島の占領や男女含めた強制動員、強制移住など戦時中はすべて人権の問題が生じますし、政府が国内で日本人に強制した点や「思想犯」逮捕など人権の問題はいっぱいあります。

 

他国もやっていたじゃないかという人もいますが、それを言う意味を考えないといけないわけです。

 

未来や前を向いて、当時のことを振り返ればいいし、さらっと(というと語弊がありますが)

 

「この像は、日本に特定的に向けられたものというより大阪市は、女性の人権が今後はもっと守られるように世界に発信する意味であると受け止め、いかなるときも世界のどの国であっても女性の人権を蹂躙するようなことが今後ないように願い、大阪市もそうした意識で女性の生きやすい社会づくりに向けて不断の改善を図りたいと考えている」

 

どの国もということで、世界に向けて、「チクッ」とだけ言っておいて、こうした未来への姿勢宣言しないと、「日本はいつまでも女性の人権侵害をよしとする国なのだ」というイメージ拡散に資してしまいます。実際データ的に男女平等がお寒い状況にあるわけだから、その改善宣言でもしたらよろしい。

 

しかし、疑わしいのは大阪市の場合、もっと確信犯的に「今後も女性の人権蹂躙したいから女性人権問題には触れたくないなぁ」みたいな姿勢であるかもということで、それこそ恐ろしいです。

 

戦中の性欲処理をどうするかは冷静に科学的問題でもあるわけですが、だからと言って安易に「仕方ないんだ」と論点をずらすのは賢くないと思います。

 

そして現在も存在するいわゆる風俗の問題もあえてこの件では棚上げしておかないと議論は混乱しますし、各国だって過去と今は上手に分けて対処しているわけです。現在の問題は、現在の政治的・社会的課題であり、多くの人の知恵を用いた議論が必要です。もちろんきっかけにしつつ話題の論点を明確にして現代の問題を論じるのはよいと思いますが、まずは未来へ向けた理想の共有と言うスタンスが政治的には大切なのかなと思います。

 

トランプ来日のときもそうですけど、なんか言われた時のウィットのある言い返しをちょっとうまい具合にしておくという知恵は日本政府にはすごく欠けている、あるいは政治家にすごく大切な資質なのに欠けている。だから、完全に道を外れた「失言」や「暴言」に行ってしまう。どう上手に言い返すか、もっとイギリス人の発言などを勉強すればよいと思います、特に政治家さんは。