zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

災害

久しぶりに書く。ツイッターでは収まらなさそうな思考の断片集積があるので、まとめて吐く。

 

木造。これは授業でも言っているテーマでヨーロッパと異なり、近くに石の切り出し、加工しやすい大理石とかなかったからイタリアとかフランスと違って、日本は木造で建物をつくった。寺社とかも。

 

で、災害で倒れる(きちっとした建築様式でつくった寺は意外に倒壊しない。すごい)。地震津波で、市井の人々が暮らす集落などはあっという間に壊滅する。たぶんその繰り返しだったのだろう。

 

ある種の知恵としては倒れやすく、再建もしやすい安上がりな(労働としても)木造普請で住むところをつくるわけだ。昔なら、「持ち物」私有財産もしれているので、道具を作り直したり(今もそれなりにたいへん、三陸とか)してがんばるのだ。

 

一種確信犯的に崩れやすい木造を使う  という知恵。

 

さて、災害に備える。

 

倒れにくいのはやはり鉄筋コンクリート。コンクリートでつくる。レンガ造りは地震に弱い。地震のないヨーロッパだからできること。

 

しかし、今はひどいがもっと冷暖房効率をよくするため、ガラスの基準も先進国並みにあげて、壁も断熱性を高め、外からの火事、火にも強くしたらどうだろう。

ひとりの家を考えて、ちょっとした台風とかの災害に備える防災ならとても有効に思う。

 

しかし、近頃NHKでシミュレーションやっていた東京で直下型マグニチュード7くらいの地震があったら?

 

火事の怖いところは中からも火が出ることだ。

冬場で石油ファンヒーターなどつけていたり、料理で火をつかっていたら。今は揺れですぐに消えるようになっているけど。これは全員でないと意味がないかもしれない。

冬場とか乾燥しているときにどこかから火が出たら、風なんか吹いていたらあっという間に一面、自治体ごと街ごと火の海だ。

 

それを守るために、ことごとくがコンクリート住宅になったら?

 

それはそれで、やはり暖房や調理等々で家のなかから火が出たら、かえって換気の悪さや断熱性は、家のなかに毒物の煙をためこみ、すぐに失神、一酸化炭素中毒など逃れられない。家のなかに死体累々(世帯人数いま少ないけど)となりかねない。

 

やはり街造りでできることは、街単位で、大きな大きな街路で離していくしかない。関東大震災のあとに、上野広小路をつくったように、大きな広小路をもっともっともっとどこの市区町村にもつくって、際限ない延焼がないように食い止めるしかないのではないか。

 

そして道路行政での立ち退き工事の難しさだ。

 

小学校のとき、友達の家が阪神高速開通のため、立ち退きしたのが、工業化社会の問題をついた詩として毎日新聞に掲載されたのが、わたしのメディアデビュー作の作品のきっかけをなしたわけだが、そういった理不尽に思える立ち退きの問題とはまた異なる視点として、日本の土地行政の問題点が大きくあるように思った。

 

それは農地、一所懸命を大切にしていた伝統に基づく、土地の私有化の推進だった。農地改革のあと、土地は小作に切り分けられ、細分化し、土地の私有化は徹底され、登記簿で管理することが進められた。それでもどこでもいまだに「よくわからない土地」が残っているもんだが、根本的に解決するには、土地の公有化が一番だと思っている。

これは持論で昔から言っているが、土地を資本主義に任せて自由取引してろくなことはない。東京の地面は高く、商売するのにも足をひっぱるし、高くて住むところがなかなか買えない。 地方から東京に出てきたわたしが最初に理不尽さを強く感じたのは、単に先祖がちょっと昔からそこにいただけで、横暴に振る舞う大家だった(出会いが悪かったかも)。わたしが土地を買って家を建てようと考える遠因になったものだ。

 

土地は公有化。社会施策として、リーズナブルの値段の公営住宅の提供。これが社会的な共同資産として最も重要なものと思う。どんな収入でもとりあえず住むところはあるという国。

 

昔よりは個性を持たせた建築も技術的に安くできるし、たくさんたくさん特に東京なんて、たくさんたくさんたくさん公共住宅を建てればいい。一戸建てなんてほんの一部でいい。首都のような街でこんなにたくさん一戸建てがあること自体おかしくないか。ヨーロッパの街だって都心はビルばっかりだろう。多くの会社員、学生がマンションというかビルに住んで通っている。

 

都心はもうビルだらけでいいから、それにちゃんと広小路、大通りを計画的に配置して、一戸建ては全部取り払う。それぐらいの首都改革しないと東京はもうやばいのじゃないか。

 

しかし、郊外の街も災害で火の海になるから、街路は必要だ。計画的に道を通すことはもっと必要なのだろうと思う。