zatsu_ten6の日記

ペンシルベニア在外研究、滞在日記

ビザとメンバーシップ

わたしの場合、ちょっと事故りました。

 

4月から3月の1年間の在外研究の期間をいただきました。ですが、9月からの後期が先に決まってしまったのですね。先に書いたように旧知のJohnが自分のサバティカルでまる一年、2016年夏あたりから2017年8月いっぱいまでいないからです。「いいよ、9月からならね」ということで、その後ややこしくなることも考えず、まぁひとつ決まったからよかった。では、春はどうするかなぁと。

 

これが2016年4-5月くらいの状態ですね。5月にはNYUの手続きは進んでいきました。春学期、Gordonが可能性があると言ったのは6月でした。しかし、リーハイのサイコロジー棟の工事の絡みで(実際今やっています)、どうなるかわからないと。いずれにしても大学として年度の関係かどうかはわかりませんが、正式な手続きが進むのは秋からと双方に言われ、まず秋に入るなり、リーハイの方から、「今も来る予定でいるかい?」とのメールがGordonから来て、手続きが開始されました。

 

リーハイはそこそこ順調に進み、1月くらいにはだいぶ準備万端に、2月には期間を6月30日までじゃなくて、8月31日までにしてくれと期間変更をお願いして、再発行してくれた受け入れ証明書が届きました。

 

NYU・・・?? 大統領選の進んでいる間音沙汰なしです。DS-2019申請書を書きましたが、その後どう進んだか返答がありません。当選後もトランプショックでしょうか。音沙汰なしです。Johnからせっついてもらって、1月末くらいににわかに正式な手続きが進み始め、「春にリーハイにいくんだけど、そこからトランスファーという形にした方がいいのか?」と問い合わせるも、大丈夫だよとの感じで、詳細は省きますが、ちょっとおかしなことになってきました。

 

リーハイの承諾が先に得られたので、NYU期間を9月1日からに直した方がいいのではとなりましたが、そのときNYUからDS2019が届いてしまいました。

 

結局これを使ってアメリカに3月26日夜、入国。翌朝レンタカーを借りてNYUにすぐ行き、DS2019にサインをもらったのでした。

 

この時点で、わたしは制度をよく理解しておらず、広くアメリカの大学業界において研究者として承認されてJ1のステイタスが得られたら、それで1年間研究活動を行って滞在し、その間、研究なんだからいろいろな研究機関を訪問したりして、アメリカ(他も)の研究者と交流図ればいいんではないの(趣旨として)くらいに軽く考えておりました。身分保障のサイン代表というか承認代表がNYUってことで。

 

違うんですよね。それぞれの大学が基本的に管理しておかないといけないのですよね。他国人の扱いはだんだん厳しくなっております。だから住所も早く決めろとなるわけですね。

 

で、結局どうしたかというと、翌27日リーハイの国際部に行ったわけですが、「そりゃあかんよ」ということになり、その場でちゃっちゃと電話かけてくれて、NY → リーハイ トランスファーとさせてもらいました。秋にもう一度、リーハイからNYにトランスファーして戻るのです。トランスファーを行うためには隙間時間があってはいけません。受け入れ期間がびしっとつながっている必要があります。そこは注意です。

 

面倒ですよね~。大学側から考えるのと、研究者の側から考えるのと、「所属」をはっきりさせることの実質的、現実的意味(制度的、建前的な意味ではなく)を考えてみました。

 

実際そういう人がいるようですが、交渉してDS-2019を発行してもらうのが面倒、難しいとかで、観光として入ってきて、3か月で出て、また入ってくると。

 

大学としてちゃんとJ1スカラーとして受け入れて、遇することによるメリットは、1)研究室や機器を正式に与える(貸す)ことができる

2)登録されることによる研究上の便宜が図られる ということですね。大学によってはちゃんとWebサイトのFacultyのところにおまけで客員研究員も載せてくれるところもあります。リーハイでは授業担当している人だけですね。

 

20年前のUCSBでは、まぁもちろんJ1ステイタスで研究室もPCも与えられていたんですけど、もっとアナログな世界で、具体的な便宜というのは、図書館証とコピーカードでした。

 

まだ図書館で、JPSPをガーっとコピーしていた時代だったんですね。だから、図書館を利用することは研究者にとって最大の重要な案件で、またそうした論文をがんがんコピーを無料でやるためのコピーカード(小銭の用意が不要という点も大きい)を持つことで、スムースに研究活動が進みます。でもそれだけのことです。図書館利用証なんて紹介によって入手することも可能ですし、小銭使えばコピーもできるわけですよね。

 

気づいたのですが、今はこういう点がはっきりと違うことによってむしろある意味、身分、IDがからめとられているということもあるのです。

どういうことかというと、大学のIDカードとネットアカウントです。20年前だってメアドはもらいましたが、それとアカウントはもちろん違います。

 

結局、今はアカウントをいただくことで、データベースのアクセス権を与えられ、すべての連絡や行事案内、事務案内(いつ工事があるとか、窓の検査に来るとかw、コピー機今ホチキス留め機能が故障しているとか)、スケジュール表(書き込みできる・・フライデートークに来た人に何時に自分があいさつに来てもらうとか時々刻々ゲストとの接触スケジュールが早い者勝ちで書き込まれて決まっていく!、そこに当日になって行く店の名前が出現する)とか。ま、人に聞けばいいことや一緒に行動していたら連れて行ってくれるから問題ないこととかもありますが、情報はこのようにデジタルに刻々と案内されているわけです。

 

心理の論文読むには、日本でもそうですが、図書館行く必要ないし、要するにアクセス権ですよね。関大より広いし、速いから結局リーハイのが便利で使っちゃいますよね。それが研究上は一番重要。

 

で、アカウント発行のために身分がはっきり必要で、1.受け入れ承諾書を持って行ってIDセンターに見せて、写真とってID証発行 2.それをITセンターに持っていってアカウント発行 というなかで正式受け入れ身分というのが効いてくるわけです。もぐりであってはこれができないでしょう。

 

ということで、世の中がネット化、デジタル化されたために、その安全性、認証の問題から人のID規定が重要になり、結局人のID的管理が必須になる。ネット社会の一側面として、このようにネット的に人が管理されざるを得ない、いいかげんですまされないという側面があるということですね。その点が興味深く思われました。

 

調査的なマインドだったら、誰やこいつ?みたいのが学内をうろうろしていて、ふっと研究会に参加していたり(だからメディアの方のや宗教の方のを聞きに行ったり)する融通無碍さも大学っていう学びの共同体のよさであると思うのですが、そういったあり方が徐々に難しく、特に外国人にとって難しくなって来ているように感じたわけですね。

 

ついでに最後に。 わたしにとって、もうひとつ常に重要な正規な所属員としての・・・・駐車許可証。レンタカーをひと月経ったところで借り換えた(継続なのだが車を替えた)ので、今日、駐車関係事務のところに行って、ナンバー等の変更報告してきました。駐車許可証がないと大学なんていけません(秋からのNYUには公共交通で行くつもりであるが)。実はもらうまでの間に4月に一回油断して駐車違反つかまりました!  悪い事してるやんけ! いや、FBIが見とがめるようなことは全くしておりませんですよ。