「あたたかさ」は誰のもの?
ハイトのモラル基盤の話でいえば、リベラルは、ケアと公正だけ。そして保守側がそれに加えて仲間意識(忠誠)、権威、清浄を基盤とする。基盤の広さが保守に有利に働き、いまひとつリベラルが伸びきれない。これがハイトの分析だ。
保守は家族のつながりの大切さやそうした伝統的な人とのつながりの大切さを訴え、前の記事で記したように、選挙などでもそれを利用して、地域のボス、人とのつながり、冠婚葬祭的つながりをてこに支持基盤を盤石にしていく。地方では今でもかなりそうだ。
リベラルや革新系は正しいことを言うから基盤はそういった理屈になる。理が立つと、ステレオタイプ内容モデルでは、理と情が逆相関するから情が薄いように見られ、味気なく殺伐とする感じがする。これが理の辛いところだ。
でも「保守」の小池は、冷たさを表出してわざわざ自ら「あたたかさ」の資産をどぶに捨てた。
それを拾ったのは枝野だ。
今回非常に興味深い、また印象深いのは、枝野さんが、
「保守から〈情〉を奪った」
あたたかさ軸を自分の方に引き寄せて、ものにした点である。人徳なんだろう。
あたたかさを有するリベラル。これが大切なのではないでしょうか。
自民党側の「忠誠」はあまりに狭い人の間での「つながり」に堕してしまった。もっと広げた人とのつながりがなければ世の中はうまく回らない。
サンフランシスコ講和条約を軽んじるといずれ安倍さんの足元は掘り崩されるだろう。アメリカは別に安倍を友達と思っているわけではない。たとえもしこの選挙を自民党が勝ったとしても、ヤバいことになる前に何かが起こるかもしれない。
北朝鮮と日本は対立している。しかし、アメリカ人から見ればこれは同じ顔だ。みんな日本は宣戦布告もせずにずるいことに真珠湾攻撃をいきなりしてきたと単純に考えている。ここニュージャージーにもリメンバーパールハーバーの記念碑が立っている。日本人は何を考えているかわからない。放ったらかしておいたら、いつか日本が北朝鮮と同じような国になるかもしれない。また国連を蹴って立って核武装するかもしれない。アメリカはまじめに冷静に現実的にそういう点も見ている。トランプだけは冷静でないけど。
日本が北朝鮮と同じになれる仕組みが用意されるとしたら、当然そこで打ちこわし工作が行われるだろう。対米追従が下命されている自民党がやり過ぎたとき、それはアメリカが安倍さんを見放すときであってそれはもう始まっているのではないか。